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【経営の“仕組み化”編】財務戦略 管理会計の必要性と利益に対する考え方

管理会計の必要性と利益に対する考え方

このページでは、YouTubeチャンネル

『毎週10分 聞いて学ぶ事業経営 2代目・3代目経営者のための TERAKOYA 寺子屋 チャンネル』

をもとに連載しています。

 

『寺子屋 チャンネル』では、2代目・3代目の若手経営者のために送る【 毎週 10 分 】 聞いて学ぶ事業経営ということで、様々な業界の2代目・3代目経営者様からのリアルなご相談にお答えする形でお届けしています。

これをお聞きの若手経営者である皆さんが、必要な意思決定をしていくための軸とヒントを得ていただけたなら、とても嬉しいです。

 

YouTubeでは、相方ケビンとの掛け合いもありとても聞きやすくなっていますので、ぜひ動画でもご利用ください。

お仕事の合間の移動中など、ながら聞きに最適です!

TERAKOYAチャンネル【経営の“仕組み化”編】

 それでは、今週も3代目社長さんからいただいたご相談から始めましょう。

経営者に必要な利益に対する考え方とは?

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今週の相談者:

滋賀県

物流会社3代目経営者(36歳男性)の方からの相談です。

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初めてご相談させていただきます。弊社は船便、航空便などの梱包、物流を請け負っている会社です。

仕事の数は増えてはいるのですが、ここ最近は単価が非常に下がってきてしまっています。そのため、利益を残すためにも社員には売上UPと経費削減を徹底してきました。

毎月1回、顧問の税理士と数字の打ち合わせをしているのですが、利益が減っていることから経費をもう少し削減するように言われています。

私自身、営業のために毎週新しいお客様開拓をするためにと会食をしたり、セミナーに参加したりと経費をかけているのですが、これも削減するように言われています。

月一回のこの打ち合わせも、ただ単に一方的な数字報告で、何かと「売上UPが必要、経費削減の徹底」と、この2つしか言わず、具体的な対策などの話にはなりません。

このままこの税理士と付き合っていくのか、今迷っています。

また、経理事務のスタッフにも社長の経費に気を付けてと言っているようです。

この事が幹部にも伝わったらしく、毎月の収支報告を見せて欲しいと先日の幹部会議で言われました。

正直、私より決算書なんか読めない社員が細かい数字を見て、くだらない疑いをかけられるのも疲れます。

以前先生のセミナーに参加されていた経営者が税理士との付き合い方の質問をしていたところ「税理士さんに期待はするな」と先生は言っておられました。

どのように進めたらよいか、アドバイス頂けると嬉しいです。

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経営者に必要な利益に対する考え方とは?

経営者と税理士は数字の扱い方が違う

あれ? 私そんなこと言っていましたか…

税理士さんの全てがそうではありませんが、でもそれは本音です。

セミナーでは、更に本音が出ますので… すみません。笑

では、早速この方の課題を整理してきましょう。

今回の課題は、

① 税理士さんとの会議をどうするか?(何のために毎月時間をとって数字を見るのか) 

②   「経費」の使い方について(社員が会社の数字を見たいと言っているがどうしたほうがいいのか?)

ということでしょうか。

先ずは税理士さんとの会議ですが、税理士さん、会計士さんは数字のプロですが、経営のプロではありません。

極論すると税金を計算するために、事業を行った後の数字をまとめる人が税理士さんです。

そして、その数字から必要な数字をピックアップして、経営に生かすのが社長の仕事です。

ですから会議が不必要であれば毎月データだけもらい、自分が必要な数値だけ管理し経営に生かしてみてはいかがでしょうか。

税理士さんとの付き合い方は今回は触れませんが、言葉を選ばず言えば、上手く活用した方が良いと思います。

この方のご相談を読むと、税理士さんが何か教えてくれると考えているようですが、それは期待しない方が良いです。そしてご自身で数字を見るようにしていくと良いと思います。

利益を残す4つの方法

実際どんな数字を見れば良いのかということですが、それは結論、会社によって違います。

ただ今回の相談者の方は梱包物流のお仕事をされている様ですので、一緒に想像していきましょう。

まず初めに、梱包に使う木材はおそらく輸入していると思いますので、為替と原価の数字は常に追った方がいいです。

次に、梱包作業は社員さんなどの人手によって行っていると思います。

なので、人件費が粗利に対してどれだけ掛かっているかを、常に把握するためにも、労働分配率のデータは管理すべきではないでしょうか。

月次収支を知ることは大切ですが、ポイントを絞って管理していくことから始めてみてはいかがでしょう。

そして次の課題である、「経費」の使い方についてです。

先ずは経費削減をして、何をしたいのか? おそらく利益を残したいということだと思います。

であれば、利益の残し方をしっかり知ることが大切です。

利益を残すには大きく4つの方法があります。

①    売り上げを上げる

②    原価を下げる

③    人件費を下げる

④    固定費の削減

そして、これらの施策にはデメリットもあるという事を理解しておきましょう。

例えば、原価を下げればどうなるでしょう?

レストランであれば材料費を削るようなことですので、料理の質が下がります。

人件費を下げるのはどうでしょう?

社員のモチベーションが下がるかもしれませんし、採用も難しくなるかもしれません。

ですから、単に経費削減と根性論で言っても、社員からは不満が出るのは当たり前です。

必要な経費は使わなくてはなりません。

よくある話ですが、経費削減で社員の教育費を削減される方がいらっしゃいます。

短期的にはいいですが、長期的には人材が育ちません。将来どうなるかは明白です。

なので、経費削減を社員に求めるのであれば、社員に目的と成果を伝える義務があるのではないでしょうか。

社長が事業に必要な経費は、堂々と使っている事を見せることも重要です。

税理士さんが、何と言おうと事業のために経費を使う事に後ろめたさを感じる必要はありません

この方がおっしゃるように、経営者と社員では知識も考え方も大きなギャップがあります。

ですから数値を使って目的と成果を共有しながら、経営者と社員のずれを小さくすることは大切なことだと思います。

是非、社員さんを巻き込んで利益を残してください。

経費削減して利益を残す4つの方法

利益は狙って出す!

そしてもう一つ利益に対する考え方で大切なことを最後にお話しします。

会計士この税理士さんの考える利益は【売上-費用=結果の利益】です。

文字通り、売上から費用を引いて、残ったものが利益という考え方です。

経営者の利益に対する考え方は、【今期残す利益=売上-経費】です。

まず経営者は最初に“今期残す利益”を決めることが重要です。

そしてその決めた利益に対して、必要な売上を作り、合わせて必要な経費を使うのかを決めていきます。

結果残ったものが利益ではなく、利益は狙って出すものです。

是非社員さんとも求める利益を共有し、経費を使う事の意味を話すことが重要です。

今日は先ほどお話ししました、利益や労働分配率など会社にとって大切な数値を管理するためのシートを道具箱に入れておきます。

参考にしてご活用ください。

それではまた。

最低限の自社数値を管理するためのシート

ここで入手できるツール

3-2 財務戦略  “管理会計の必要性と利益に対する考え方” 【最低限の自社の数値を管理するためのシート】

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