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『毎週10分 聞いて学ぶ事業経営 2代目・3代目経営者のための TERAKOYA 寺子屋 チャンネル』
をもとに連載しています。
『寺子屋 チャンネル』では、2代目・3代目の若手経営者のために送る【 毎週 10 分 】 聞いて学ぶ事業経営ということで、様々な業界の2代目・3代目経営者様からのリアルなご相談にお答えする形でお届けしています。
これをお聞きの若手経営者である皆さんが、必要な意思決定をしていくための軸とヒントを得ていただけたなら、とても嬉しいです。
YouTubeでは、相方ケビンとの掛け合いもありとても聞きやすくなっていますので、ぜひ動画でもご利用ください。
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TERAKOYAチャンネル【中小企業がリーダーを育てるために大切なポイントとは?】
それでは、今週も2代目社長さんからいただいたご相談から始めましょう。
経営者の時間管理方法
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今週の相談者:
服飾関係2代目経営者(36歳男性)の方からの相談です。
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先生こんにちは。
毎回、明日から実践できる行動アドバイスを、楽しく聞かせていただいております。
私は6年間、父のもとで仕事をし、3年間は専務として事業をやってきました。そして、今年の春に代表取締役に就任して、完全に事業の承継をいたしました。
父はまだ時々会社には顔を出しますが、仕事にはほとんど口を出しませんので、自分なりに責任を感じて毎日を送っています。
やりがいがある仕事ですので、前向きな気持ちは常にあるのですが、専務から社長になった途端、仕事量が倍以上に増えたように思います。
というより、増えています。なので本当に時間がありません。
覚えなくてはならない事、やらなくてはならないことが多すぎて、仕事を終わるときは体力的にもきつくなっています。
今は、週末のゴルフも、家族との時間も減らし、前に進む時だと思って邁進しているのですが、本当はやらなくてはならない3年先の事などには一切手が付けられず、目の前の仕事に忙殺されてしまっています。
先生はいくつもの事業をやられていると思いますが、忙しくないのでしょうか?
私は仕事が終わると、充実感より、焦燥感でいっぱいになります。ついつい、妻にも厳しくなってしまい、険悪なムードになってしまう事が増えてしまいました。
この仕事量をこなして、将来のための経営についても行動を起こすには、どうやって進めることが良いのでしょうか?
時間管理については、自分では上手い方だと思っていたのですが、スケジュールが埋まっていくだけで、前に進んでいる感じがありません。
先生はどのような時間管理をされているのか?などを、教えて頂けましたら幸いです。よろしくお願いいたします。
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時間管理ではなく「自己管理」
私も一応経営者ですから、忙しいです。
朝、ヨガとストレッチやって…
サウナ入って整えて…
筋トレやって…
キックボクシングやって…
疲れるので、マッサージに行って…
そして毎日ワインも飲まなくてはならないので、早めに家に帰ります…
仕事で忙しいのではないですね(笑)
では早速この方の課題を整理していきましょう。
今回のご相談は、
- 時間管理をしっかりしたい、その上で時間を創り出したい
- 時間に追われることなく、仕事以外の時間も充実させたい
と言う事ですかね。
そもそも、時間管理とは何でしょうか?
無駄な時間を省いて、手帳にスケジュールがかなり埋まっていくようなイメージでしょうか?
ただこれは学生や、新卒の時間管理術で、なるべく多くの事をこなす時間の使い方のように思います。
新卒の時は、質より量をこなした方が身に付くことが多いので良いですが、社長の仕事は量ではなく、いかに生産性の高い仕事が出来るかがポイントです。
言い換えれば、社長しか出来ない仕事をどれだけやるか、と言うことだと思います。
もし経営者の立場で量をこなす為の時間管理を行っているのであれば、時間管理なんてやめた方がいいと思います。
なぜなら、社長の仕事は時間で縛るものでなく、生産性、成果がすべてだからです。
1時間考えて、大したアイデアが出ないのと、
15分のサウナで、いいアイデアが出るのとでは、どちらの方がいいですか?
もちろん、15分のサウナでいいアイデアが出る方ですね。
なので、経営者に必要なのは時間管理ではなく、自分にどのような責任を与えるか、という自己管理の方が大切だと思います。
例えば、イチローさんがどれだけ毎晩素振りしても、ヒットが打てなければ、称賛されません。
プロは結果が全てですが、経営者も同じです。
時間の価値を知って意思決定すれば時間は作れる
突然ですが、皆さんのお財布には今いくら入っていますか?
仮に3万円入っていたとして、1万円下さいと言われたらどうしますか?
恐らく、あげませんよね…
では何故、拒むのでしょうか?
きっと、一万円の価値が分かっていて、大切に使おうとするからです。
では、皆さんは自分の時給がいくらか考えたことはありますか?
そうです。自分の1時間の価値が分かっていないので、大切に出来ないのです。
だから、一万円下さいと言われても簡単にはあげませんが、部下からのちょっといいですか?に、1時間ぐらいは気軽にあげてしまいます。
こういった方が経営者の中にも多いように感じます。
折角ですから、時給計算してみましょう。
例えば、年収が4000万とします。
1日、おそらく労働時間を8時間として、社長の仕事は生産性が上がっているものだけとしたら、その内の2時間と仮定します。
1日、2時間
1週間、5日で「10時間」
年間40週働くとして「400時間」とします。
年収4000万円を400時間で割ると、時給は10万円です。
年収2000万円でも、その半分の時給5万円になります。
時間が足りないのは皆、1日24時間なので同じです。
経営者としての時間の価値を知って、意思決定すれば時間は出来ます。
是非こういった考え方を取り入れてみてください。
重要な事を先にスケジュールに入れる
この話はご存じではないでしょうか?
ある学者が、生徒を前に、バケツにミカンぐらいの石を入れていきます。
その後、ブドウぐらいの小石を入れて、これでバケツはいっぱいになったけど、まだ入るかな?
と聞くと、生徒は砂ならまだ入ると言ってバケツをトントンと叩いて、砂を入れます。
その後、もう入らないだろう、と言うと他の生徒が水を持って来て、水を入れると水もバケツに入ってしまうという話です。
これは何を伝えているのか分かりますか?
私は昔、新卒研修でこの話を聞いて、バケツという自分の時間になるべく多くの事を入れるのは、順番が大切だと教わりました。
つまり順番を間違えると、みかんぐらいの大きな石は永遠に入らない、という事を知りました。
つまりは、一番大切な事を後から入れようと思っても入らない、という教訓ですね。
皆さんは、仕事と家族の時間、どちらが大切ですか?
もちろん、どちらも大切だと思います。
であれば、仕事も家族の時間のどちらも先にスケジュールに入れることが重要です。
悲しい話ですが、時間が出来たら、家族との時間を取りたいと思っていて、気が付いたら家族がいなくなっていたなんて話をよく聞きます。
まず、自分がどんなことに時間を使っているのかを記録することから、始めてみてはいかがでしょうか?
つまり、今時間を奪っている、水や砂や小石を見つけることをやってみるといいと思います。
仕事だけが、人生ではありません。
私がこのTERAKOYAをやっているのも、事業の成功と、経営者自信の幸せを両立することのサポートをしたいからです。是非、こういったことから始めて欲しいと思います。
今日は、TERAKOYAの研修の中でも使っている「時間を記録するシート」を道具箱に入れておきますので使ってみてください。
それではまた。
ここで入手できるツール
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2006年独立後、日本で経営コンサルティング会社を設立。その後海外への事業展開を視野に入れて活動し、2009年に香港、2010年には上海でもコンサルティング会社、事業会社を設立。日本と中国を行き来しながらコンサルティング事業、自社事業を手掛ける。