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『毎週10分 聞いて学ぶ事業経営 2代目・3代目経営者のための TERAKOYA 寺子屋 チャンネル』
をもとに連載しています。
『寺子屋 チャンネル』では、2代目・3代目の若手経営者のために送る【 毎週 10 分 】 聞いて学ぶ事業経営ということで、様々な業界の2代目・3代目経営者様からのリアルなご相談にお答えする形でお届けしています。
これをお聞きの若手経営者である皆さんが、必要な意思決定をしていくための軸とヒントを得ていただけたなら、とても嬉しいです。
YouTubeでは、相方ケビンとの掛け合いもありとても聞きやすくなっていますので、ぜひ動画でもご利用ください。
お仕事の合間の移動中など、ながら聞きに最適です!
TERAKOYAチャンネル【経営の「ルール」と「やり方」編】
それでは、今週も2代目社長さんからいただいたご相談から始めましょう。
戦略とは何か?
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今週の相談者:
静岡県浜松市
建築機器販売2代目経営者(33歳男性)の方からの相談です。
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2年前に代表取締役に就任しました。
こういう時代なので変化が激しく、情報を得るためにセミナーへの出席や書籍などから、それなりに努力してきたつもりです。
しかし、先代は顔を合わせるといつも
「現場に行け、現場でしっかり指示しているか?」
などと催促します。
しかし、現場に行けばマネージャーは鬱陶しいような態度を取りますし、私自身、現場は管理職に任せた方が良いと思っています。
先月出席したセミナーの講師も
「社長は現場からは離れなくてはならない」と仰っていました。
新しいことを始めるには、今の仕事は任せて、新規事業などを考えなくてはならないとも考えています。
確かに、うちのマネージャーに今期の売上予測を会議で聞いたところ、「毎年昨年の5%増でやっているので今期もこれで行きます…」と言います。
5%の理由を聞いても、「毎年このやり方なので…」と理由など考えていません。
もう少し、戦略的に考えるように指示をすると、
「会社に戦略がないのに、考えられるわけないじゃないですか…」
と逆切れしてきます。
確かに詳細な戦略はないですが、事業計画などはしっかり立てています。
先生、戦略はどこまで詳細に作成すべきですか?
また戦略はどんなものが必要でしょうか?
このままでは前に進めません、ご指導いただけますでしょうか。
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委任と丸投げは違う!
「事件は会議室で起きているんじゃない、現場で起きている」 (笑)
と言いますが、先代がそう言われるのもしょうがないのかなと思います…
先代の現場に行けという意味は、少し違う意味だと思うのですが、いかがでしょうか?
自分で現場に行ってみるのもいいですし、仕組で情報を汲み上げるのもいいですが、頭でっかちになるな、という意味かもしれません。
是非、先代とお話をしていただければと思います。
さて、この方の課題を整理しますと
1. 社長の仕事と管理職の仕事をしっかり区別したい
2. 戦略を立てたいが、どこまで詳細に立てるのがいいのか?
というご質問だと思います。
先ず、管理職の方に仕事を任せるにも「準備」が本当に必要です。
準備とは、「経営者側の準備」と「仕事を受け取る側の管理職の準備」の2つがあると思います。
準備ができていない方に委任をするのは、キャッチボールをしたことのない子に150キロの剛速球を投げるようなものです。
委任する際には、「目的」「ポイント」「どのように委任するか」は共有しておかなくては、委任される方はたまったものではありません。
委任と丸投げは全く違います。
そして経営者はよく「言った、伝えた」と仰いますが、相手側が理解していないと「言ったこと、伝えたこと」にはなりません
委任には2つの技術が必要
リレーのバトンワークを考えてみてください。
「渡すタイミング」と「受け取る技術」があることで、走りながらバトンタッチが出来ます。
先ず、渡す側は仕事を細分化してください。
そして目的をしっかり共有した上で期限を決めます。
その上でタイミングをみて委任する事が重要です。
やらせて失敗させる方法もありますが、ここでは管理職への委任ですので、それなりに失敗が許されない仕事として、このようにお話しさせていただいています。
普通は、手放す勇気がなかなか持てない経営者の方が多くいらっしゃいますが、この方は手放す事に躊躇がないのは素晴らしいですね。
3つの戦略
次に戦略についてです。
皆さんはどのようにして言葉を覚えましたか?
そうです、言葉を覚える時は両親の真似をして覚えます。
ですので、戦略についても先代の真似をしてみてください。
私は中小企業の社長さんには 常に、「先ずは真似した方がいいですよ」とお話しています。
実際、私自身もずっと真似をしてやってきました。
そして会社を長年経営し、中小企業に最低限必要な戦略は3つあるとわかってきました。
1. 人事戦略
2. セールス、マーケティング戦略
3. クライアント戦略
少なくともこの3つを必須戦略として立てておく事が必要ではないかと思います。
その後で、それ以外の戦略を組み立てていく事をお勧めいたします。
委任も戦略も各社によって違います。
ですので、基本的なルールは守り、それが上手くいくようになったら自社独自の方法にブラッシュアップしていけばいいと思います。
現場に行くも、行かないも、その後ご自分で決めてみてはいかがでしょうか。
そして、戦略については以前もお話し差し上げた様に「やらない事」を明確にすることが重要です。
今回は、先ほどの
最低限の3つの戦略において、具体的に何をすればいいのか?
をまとめた「必須戦略の見本シート」を道具箱に入れておきますので、よかったら参考にしてみてください。
それではまた。
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2006年独立後、日本で経営コンサルティング会社を設立。その後海外への事業展開を視野に入れて活動し、2009年に香港、2010年には上海でもコンサルティング会社、事業会社を設立。日本と中国を行き来しながらコンサルティング事業、自社事業を手掛ける。