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『毎週10分 聞いて学ぶ事業経営 2代目・3代目経営者のための TERAKOYA 寺子屋 チャンネル』
をもとに連載しています。
『寺子屋 チャンネル』では、2代目・3代目の若手経営者のために送る【 毎週 10 分 】 聞いて学ぶ事業経営ということで、様々な業界の2代目・3代目経営者様からのリアルなご相談にお答えする形でお届けしています。
これをお聞きの若手経営者である皆さんが、必要な意思決定をしていくための軸とヒントを得ていただけたなら、とても嬉しいです。
YouTubeでは、相方ケビンとの掛け合いもありとても聞きやすくなっていますので、ぜひ動画でもご利用ください。
お仕事の合間の移動中など、ながら聞きに最適です!
TERAKOYAチャンネル【経営の“見える化”編】
それでは、今週も2代目社長さんからいただいたご相談から始めましょう。
生き残るための経営方法とは?
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今週の相談者:
東京都中野区
自動車部品関係2代目経営者(33歳男性)の方からの相談です。
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初めて相談をいたします。
弊社は私で2代目になる、自動車関係の部品を加工する仕事をしております。
今までは大手自動車会社からの仕事が8割でしたが、ここ2~3年急激に仕事が減っています。
何とか、別の仕事の受注に動いているのですが車関係で仕事をしていたため、なかなか新しい仕事が受注できません。
これから、このビジネスモデルだけでは生き残りができないように思っています。新規事業を考えてはいるのですが、社員からは
「こんな大変な時に新しいことなんかできるわけない」
など、後ろ向きな意見ばかりで、最近は新規事業の話をすることも少し嫌になってしまっています。
新規事業は弊社にとっては必要不可欠だと思っています。
しかし新規事業を創れる人材もいなければ、既存事業を任せる人材もいません。
という私も新規事業を考えるのですが、発想が広がりません。
弊社のような斜陽産業はどのようにして生き残ればいいのでしょうか?
幾つかの新しい事業をスタートさせたいと思っているのですが、どのようにすれば上手くいくでしょうか?
まとまりのない相談で申し訳ないのですが、是非アドバイスを頂けたら幸いです。
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幹部クラスとの目的共有は不可欠
自動車産業は斜陽産業なのでしょうか?
この方がご自身で言っているのであれば、先ずはこの意識から変えることが重要なのかもしれません。
斜陽産業は嫌なので、「日の出」産業にしましょう。(笑)
さて早速、この方の課題を整理してみましょう。
この方もおっしゃっていますが、経営相談は、そもそもまとまりがないです。
なぜなら正解がないので、ごちゃごちゃになりがちですが、その中で思ったことを、このようにどんどん言語化することの方が本当に大切です。
今回の課題ですが、
① 新規事業の創り方が知りたい
② 新規事業を推進していくのは誰がやるのか
③ 既存事業を含めて、複数の事業を創っていきたいがどうすればいいか
ということでしょうか。
先ずは、何のために新規事業をやるのでしょうか?
この方は既存の事業がシュリンクしていく中で生き残り策として、新規事業を考えていらっしゃるということですね。
それを、少なくとも幹部クラスとは共有できていますか?
よくあることですが、俺たちが汗水たらして稼いだお金で無駄な新規事業をやっている… 的な事にはなっていないでしょうか?
先ずは、幹部クラスの方たちと共有できているかが重要です。
新規事業構築で意識すべき2つの軸
それを踏まえて新規事業に取り掛かるのですが、いきなり畑違いの新規事業はやめましょう。
初めは2つの軸で考えてみてください。
① 既存事業のクライアントに、新しいサービスや商品を販売する
② 既存の商品・サービスを市場を変えて展開する
この2軸です
例えば、日本で販売していたものを中国で販売する、などがいい例です。
そして新規事業を創っていく上でよくやってしまうのが、既存事業においてなるべくミスをしないように管理をされるマネージャーに、新規事業のリーダーを任せる事です。
これをすると失敗する大きな原因となることがあります
なぜなら、新規事業はなるべくミスをしない事ではなく、なるべく多くの失敗を、なるべく早く経験することが重要になります。
新規事業は、失敗しながら前に進められるタフなリーダーに預けるべきです。
とは言えこういった方はなかなかいませんので、中小企業ではこれ(新規事業)は社長の仕事だと思っています。
管理することと、失敗して新しいことを創ることは全く違います。
ですので、ブレーキとアクセルは一緒に踏まないように、できれば人材を分けることをおススメいたします。
時間軸を意識して事業を複数持つ
そして最後の課題が複数の事業の創り方、運営方法ですね。
間違って欲しくないのですが、私が時々お伝えしています、複数の事業を持った方が良いという事は、単にリスクヘッジとして複数の事業を持った方がいい、ということではありません。
よく言われる、多角化経営という方法ではありませんし、単純に多角化すればいいのではないと考えています。
複数の事業を持つのであれば、まず最初に時間軸を意識してやってみてください。
例えば、
① 既存事業は1年スパンで改善・変革をおこなう
② すでに芽が出ている事業を育成事業的ととらえ、2~3年スパンで作る(②は①に代わる事業として育てる。)
③ 投資的に考えて、3年掛けて創造する
このように時間軸で複数化することで、複数の事業を創ってみてはいかがでしょうか?
私自身も自分の事業を複数事業で経営しています。
これは正解がないので、私が実践しているSeveral経営というものを1つの例として取り入れて頂ければと思います。
Severalとは複数という意味ですが、この経営には5つポイントがあります。
この5つのポイントの中で、時間軸で事業を創ることを1つめのポイントとして挙げています。
これは私自身が、中国でのビジネスを始めるきっかけでもありました。
そして、時間軸を意識して3年先を考えたら、自ずと中国でビジネスを始めていました。
今日はこのSeveral経営の5つのポイントの内、1つだけを紹介させていただきましたので、残りの4つを含めた「Several経営の5つのポイント」を道具箱に入れておきます。
是非、1つのプロトタイプとして参考にしてみてください。
それではまた。
ここで入手できるツール
2-4 Several(複数事業)経営のための【マル秘 5つのポイント】
「事業経営」×「人生経営」で本当にやりたい事を見つけ成功と幸せを両立する
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2006年独立後、日本で経営コンサルティング会社を設立。その後海外への事業展開を視野に入れて活動し、2009年に香港、2010年には上海でもコンサルティング会社、事業会社を設立。日本と中国を行き来しながらコンサルティング事業、自社事業を手掛ける。