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『毎週10分 聞いて学ぶ事業経営 2代目・3代目経営者のための TERAKOYA 寺子屋 チャンネル』
をもとに連載しています。
『寺子屋 チャンネル』では、2代目・3代目の若手経営者のために送る【 毎週 10 分 】 聞いて学ぶ事業経営ということで、様々な業界の2代目・3代目経営者様からのリアルなご相談にお答えする形でお届けしています。
これをお聞きの若手経営者である皆さんが、必要な意思決定をしていくための軸とヒントを得ていただけたなら、とても嬉しいです。
YouTubeでは、相方ケビンとの掛け合いもありとても聞きやすくなっていますので、ぜひ動画でもご利用ください。
お仕事の合間の移動中など、ながら聞きに最適です!
TERAKOYAチャンネル【経営の“仕組み化”編】
それでは、今週も2代目社長さんからいただいたご相談から始めましょう。
人事評価制度導入したけど、上手くいかない
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今週の相談者:
東京都八王子市
精密機器関係2代目経営者(39歳男性)の方からの相談です。
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先生こんにちは。
先生のセミナーには何度も参加させていただいております。今日は、弊社の人の問題でメールを出させていただきました。
2年前から退職者が増えていたので、弊社顧問の社労士に相談したところ、
「人事評価制度を導入して、透明な評価をすることで退職率を下げましょう」
という提案をもらい、半年かけて評価制度をその社労士と導入したのですが、正直、運営も上手くいっていないです。というよりも作ったのはいいけど、どうやって進めるかもわかりません。
社員からは、「また面倒な事が増えた」と文句が出ています。
導入をしたのでやめるわけにもいかず、どうしようかと悩んでいます。
人が辞めないようにしっかりした評価制度は必要だと思いますが、効果も表れず、制度自体の目的もなにが重要なのか?分からなくなっています。
以前先生のセミナーで、評価制度は人材を評価するためだけに導入するのではなく、人を育てるために導入するというお話を思い出しました。
導入してから相談しても、もうどうしようもないかもしれませんが、セミナーの時に難しい問題に対して、わかりやすく答えられていらっしゃる先生であれば、何かヒントをもらえるのではと思い、メールしています。
是非、何かアドバイスをいただけると嬉しいです。
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採用・育成・キャリアは明確になっているか?
どうにもなりません…(笑)
というか、どうして人が辞めないようにするために、人事評価制度を導入したのでしょうか?
会社を辞めた方の理由が、人事評価が不透明だったから… と言われて辞められたのでしょうか?
ただ、やめる人は本音で話をしたりしませんよね…
さて、いつも通り相談者の方の課題を整理していきましょう。
① 導入した評価制度が上手くいかないので、どうしたらよいか?
② 人が辞めていく現状をどうするか?
という事ですね。
今回はかなり難題ですね…
というのも、人事評価の導入も離職率の問題も、会社によって大きく違ってきますので。ここではいつもに増して、一般的な回答しかできないですが…
ですが、現在起きている問題を具体的に解決する前に、整えておくべきことを中心にお話し出来ればと思います。
先ずは以前、経営計画のご相談の時にもお話しさせていただきましたが、人事戦略は会社の経営で非常に大切な計画の一つです。
ご相談を聞いていると、恐らくですがこの会社には人事戦略がないのだと感じました。
人事戦略とは、おおざっぱに言うと、どのような人材を採用して、どのように育成し、どのようにキャリアを積んでいくか?ということです。
ただ、この相談者さんの会社は、この辺りが明確になってないのかなと思います。
これら、採用・育成・キャリアが明確にあって、初めて評価をどのようにするかが設計できると思います。
一般的な評価制度はどこの会社でも導入する事は簡単ですが、その会社にあった制度は「人をどのように成長させるか」がわかっていないと導入できません。
先ずはやってみることも良いとは思いますが、人事評価は一番最後にした方がいいでしょう。
人を育てる道具としての人事制度
とはいっても、この方の会社が評価制度をすでに導入してしまっているのであれば、
・勇気をもって一旦ストップするか
・評価制度はトライヤルとして進めながら、給与やボーナスなどに連動せず、人を育てる道具として、設計や運営を再度ブラッシュアップしていくか
どちらかの選択を考えたほうが良いかもしれません。
人を成長させるためには、人に関わらなければ、いくら制度がピカピカでも上手くいきません。
目標を立てて人を成長させる関わりが必要です。
人事評価制度の前に経営者がやるべき事
そして、次に人が辞める問題に関しては、先ずはどうして人が辞めるのか?を明確にしましょう。
決して一つの理由ではないと思いますが、人が辞めるには傾向があります。
どの会社も頭を悩ませている課題ではありますが、人が辞めない会社も多くあります。
待遇のいい会社、将来性がある会社、仲間がいい会社など…
人が辞めない会社を調べてみてください、そして真似するのが重要です。
こう言うと「うちの会社は待遇も、将来性もない… 大手とは違うから…」
と言われる経営者がいらっしゃいますが、そんな会社で誰が働きたいと思いますか?
是非、自分の会社で働く意味を言語化してください。
そして中小企業には大手にはできないメリットがあるので、それを言語化して社員に伝えていってください。
それは「経営者、あなた自身と働ける」というメリットでも構わないです。
そのメリットがあなたの会社の理念、ミッションと重なっていることが大切なことだと思います。
評価制度も大切ですが、自分の会社をどうしていきたいかを、先ずは社員に伝え続けて、同じ方向のゴールに向かう事の意味を共有しましょう。
今日は評価制度の運用の中で、人材を成長させるためにどうやって関わるのか?
関わり方のひとつとして 目標を立てて関わるための「目標面接制度」のやり方を道具箱に入れておきます。
是非、人事制度を導入したのに上手くいかない会社の方は参考にしてみてください。
それではまた。
ここで入手できるツール
3-1 人事戦略(評価制度は○○するための道具)【目標面接制度のやり方】
「事業経営」×「人生経営」で本当にやりたい事を見つけ成功と幸せを両立する
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2006年独立後、日本で経営コンサルティング会社を設立。その後海外への事業展開を視野に入れて活動し、2009年に香港、2010年には上海でもコンサルティング会社、事業会社を設立。日本と中国を行き来しながらコンサルティング事業、自社事業を手掛ける。